みんなで行った朝日小屋


先週banちゃんから「まさおちゃんたちと朝日行くけど、行くー?」と誘ってもらった。
もちろん行こう!と思った。
去年は小屋閉めも行けなかったし、駅伝にも出られなくて、もう私は山の世界では忘れられつつあった。
先月偶然、立山・美女平のターミナルでまさおちゃんたちに会って、ちょっとテンションが上がってきた。
あと何十年山に登れるかわからない。(誰でもだけど)
後悔しないように、行きたいと思う山は今のうちに登っておこう。
いつでも行けそうでなかなか行けないのが、「みんなで行く朝日小屋」なのだ。
1人で日帰りで行ってもYちゃんたちは小屋にいてくれるけど、みんなで行けば家より落ち着く?「大蓮華」で語り合える、それを楽しみに、雨の中を出かけて行った。
1枚目の写真は、登りの夕日ヶ原で、Tさんに撮ってもらった全員の写真。
左から、Kちゃん、Y子さん、まさおちゃん、banちゃん、K籐さんの奥さん、I口さん、S木さん、K籐さん、そして、座っているのが私。

秋の花の中でけなげに1輪だけ咲いていたハクサンフウロ

もっとも多く目についたのはチングルマ
雨に濡れると綿毛が束になり、乾くとフワフワになる。
チングルマは1本1本で地面から出ているのではなくて、これは実は木なのだ。
葉で覆われて見えないが、地面を堅い枝がいくつもに枝分かれして這っていて、そこから茎が立ち上がっている。もう葉は紅葉しかかっていた。

ブルーベリーによく似たクロマメノキ。

もう小屋が見えてもよさそうな地形にのところに来ても小屋がない(ガスで真っ白で見えない)ので、「引っ越したのかな」と言っていたら突然目の前に赤い屋根が現れた。
天気がよければまず外でビールだが、雨で寒いし、寒くてほとんど休まず歩いて来たので、一目散に小屋の中へ…

北又発7時過ぎ、イブリ山頂11時前、朝日小屋12時20分ごろ。
イブリを過ぎると風が強くなり(それまでも風の音だけがしていた)雪倉方面や吹き上げのコルのあたりはすごいことになっているのでは?と想像した。
誰もどこかへ行こう、と言わなくて、昼過ぎたばかりなのにもう宴会モード。
夕食の時間までヒマだ、と言いながら、しゃべったりたまに外に出たりしていたら5時。
一瞬雪倉が見えたときがあったが、すぐに雨がまた降ってきて中に入る。


通常山小屋ではありえないくらい豪華な夕食。
私は他の山小屋に泊まったことがないが、一緒に登った人たちに聞くと、皆「普通は冷凍食品とか、缶詰のものをちょっとずつ並べただけ、というのが多いよ」と言われる。
高い山に食料を上げるのは大変な手間と労力がかかっているし、長い道のりを歩いてやっと着いた小屋で、食べられるだけありがたい、というのが常識なのかもしれないが、ここ朝日小屋ではそうではない。
ほとんどが、手作り。
てんぷら、肉じゃが、昆布締め、山芋、そば、すり身の入った鍋もおいしかった。
そして…奥に見えるのが、春に採って冷凍してあったというアマンボ(アマナ)と金沢の金時草のおひたし。これがめちゃくちゃおいしかった。
ほんとに2418mもある高い山での食事とは思えないくらいのご馳走。
毎年のように登ってこの小屋しか知らない私たちにはこの豪華な食事が標準になってしまっているが、実は他ではありえないことなのだ。
この食事を出すためにどれだけ苦労されているかは想像以上だと思うが、都会からのリピーターのお客さんが多いのは、山もすばらしいが食事のおいしさにもよるところが大きいと思う。
朝食も、おかずの種類は多い。

ちょっと写真では目立たないけど、左後方のお皿に注目!
前列左の茶色く細長いもの、これはウドのトウガラシ味噌漬だった。
うちでも春にウドを採って来ると作るが、それを冷凍してあったのかも。
卵焼き、甘露煮、たたきごぼう、ワカメの土佐酢あえ、モロッコインゲン(だと思う)の胡麻和え、漬物、そして、手作りのフキ味噌。
夕食の時は途中で食べられなくなり(たくさんたべるとおなかが痛くなり、それ以上食べられなくなる状態に最近なっていて、まだおなかがすいていても「食べるなー」と胃や食道が暴れ、休むと治る)あとでまた天ぷらなどを食べた。山では食事を残さないのが私の主義。Yちゃんに、時間がかかってもいいよと言ってもらえて、全部食べた。
知らない山小屋だったら片付けられてしまったかも。
朝ご飯はギリギリ全部食べることができた。
以前ならおかわりしていたが、今は一人前食べることがせいいっぱいだ。
早く治って思い切り飲んだり食べたりしたい。
食べながら話をするのが楽しいのに、おなかが痛くなって部屋で休んでは出直し、と繰り返していたが、まさおちゃん劇場にはなんとか出演することができた。

マジックショー。アシスタントはKちゃん(顔が見えなくてごめんね)と、Tさん。

おなじみ手話で歌う「涙そうそう」にN山岳会の若い人たちも出演。

なんだかすごくノリのいいひとたちだった。N山岳会は。
まさおちゃん劇場が終わると、順番に歌いだした。
彼らはあの雨の中頂上まで行って来たらしい。

名残惜しいが朝9時過ぎにもう出発。

また来るねー!と手を振るメンバー。