バスがはまった

元湯から北又に向かう道は狭くて、バスが1台やっと通れるくらいの幅しかないところもある。
窓に木の枝がバチバチあたり、道の溝を通るときはガタン!とすごい音がするのだが、運転手さんは「音がしますが、気にしなくていいですよ」と言っていた。
私ならこんなところバスを運転することはできないなと思う。
越道峠を過ぎてしばらく行ったとこで、道が下って登るところにちょうど溝があり、そこにナンバープレートがはまったらしくて、バスが動かなくなってしまった。
戸をあけ、バックすると、ギーギーとすごい音がする。
先生と私たちが降りて見てみると、バンパーがかなり低い位置にあり、もしかしたら全員降りれば、多少持ち上がるかもしれない、ということで、みんなバスから降りた。
そうこうしているところに、元北又小屋主人のNさんが草刈鎌を手に通りかかり、私が「北又まであとどのくらいですか」と聞くと「歩いても10分くらいだよ」と教えてくれた。
10分なら歩こうか、とみんなで歩いて小屋を目指した。
私も何度かこの道を通っているのに、歩いてないので、何分かかるかわかってなかったのだ。
北又を知り尽くしたNさんの言われるとおり、すぐ小屋に着いた。歩いているみんなは楽しそうだった。身軽になったバスは脱出に成功、まもなくやってきた。