鎖を外して逃げる犬

1ヶ月以上おとなしく檻に入っていた。(病院のこと)
そのあと飼い主に引き取られ、犬小屋でおとなしくしていた。(家で寝てたってこと)
今日は天気もいいし暖かくてじっとしていられなくて、鎖を外して外に逃げた。ワンワン!
どこに行こうか、道路を歩いたってつまらない、行くならふきのとうのあるところ。
病気だからムリをするなとか、仕事もしてないのに遊びに行くのかとかいろんなことを言われるかもしれないけど、なんとでも言ってくれ、山は自然のホスピタルだ〜!!

歩き出して最初はなかなか足が前に出なかった。
坂の歩き方を忘れた感じ。
すぐになれたけど、元気なときの倍時間かかる。
20分もかからないところに行くのに写真撮ってはノロノロ歩き、40分もかかった。
でもどれだけかかろうと、点滴をさしてない、自由の身はなんと素晴らしいことか!
心臓とか肺はイカれてない、っていうかこんなに遅かったら息が切れるはずない。
ツバキがきれいだった。
どの状態がいちばん絵になるかと考えたけど、花をひとつとって見るよりも、道の両脇に次から次から咲いたりつぼみだったりして出てくるのがいいんだと思った。

写真を撮ろうとするとだいたいの花は風で痛んでいたり、葉っぱは虫に食われたりしているのだが、それが自然。
私だってすぐ手に傷つけたり、歯が欠けたり、いろんな傷があるが(お腹の中にも…)そんな傷だらけのトータルな私が今の私だ。無傷で完璧なものってこの世にいったいどれだけあるだろう?
登って、ちょっとわき道にそれてふきのとうをとって、帰るまで、だいたい2時間コース。
例年雪がまだ残る頃からちょくちょく様子見に行っていたので、今年は出遅れた感があったけど、やはり乗り遅れてた。

たくさんのふきのとうがもう誰かに採られていて、それでも雪が融けたばかりの地帯を発見してそこでまとめてつんできた。
行きは「1ヶ月以上入院してたってなかなかそんなに弱ってないじゃん」と思った。
帰りに疲れてきてこのままじゃ熱が出そう、と思ったけど、2回休みを入れてお茶を飲んだり、ムリにがんばって早く帰ろうとせずに、新芽が出たばかりの木を発見しながら自分にごほうびを与えつつ疲れさせないようにして歩いたらなんとなく降りてこれた。
今まで私は山で休むのがヘタだった。だから早く歩けたんだけど、この身体じゃそれはムリなので、上手に休みつつ歩くと長く山を楽しめるかもしれない。(なっんか年寄りくさいけど!)
家に帰った頃は疲れて疲れてちょっと横になって休んだ。
夜はたら汁とふきのとうの天ぷらと酢の物。
明日にかけて天気は大荒れになりそうだからまたおとなしくしているか。

おまけの白いツバキ。登山口の横のお宅に咲いていた。