朝日岳登山引率

地元中学の登山に、去年に引き続き今年も地域サポーターとして参加した。
中学生の数に対して、先生+サポーターの数の多さにビックリ。
先生は、子供の生活態度とか、集団生活を指導するのにはついて行かなければならない必要な人たちだけど、登山は得意ではない人も多い。(というか、初めて登る先生もおられた)
それで、私たちのような、地元の山によく登る大人の人がついていくのだが、今年は生徒の父兄で休みの取れる人がけっこう多く参加していて、なんか遠足気分。
去年は体力で班を分けていたが、今年はクラスごとに分けられた。
私の担当は真中くらいに出発する女子のグループだった。
けっこう体力のありそうな子が多く、最初問題なさそうに思えたが、歩き出してしばらくで、1人やっとついていくくらいバテてきた子が出た。
他の子が荷物を少し持ってあげたり、5合目で休憩時にグレープフルーツを食べさせたりして様子を見たが、「降りたい」とは言わなかった。
結局そのまま他の子たちががんばれ!と励ましつづけ、小屋まで行った。
去年よりもみんな元気で、天気もよかったのでかなりラクな山だった。写真も撮れたし。
雪はかなり減っていたけど、こんな時期に雪を見て、大騒ぎの中学生たち。
しかも、ほとんどの子がズックなので、ツルツル滑っていて、すれ違ったばあちゃんくらいの年の登山者に「気いつけて歩けって言われても、スニーカーじゃどうもならんわね!」と笑って言われた。
けっこう時間かかって(大勢なので当たり前)小屋に着いたら2時過ぎだった。
夜小屋で、例のバテていた子は熱を出してしまった。
次の日朝ご来光を見るため、3時前に起きて準備をしていると、「気持ち悪い」と言って私たちの部屋(保健室を兼ねている)に来た子がいて、結局2人頂上に行かなかった。その子たちについていて登れなかった先生が「私は何度も朝日についてきているのに、頂上に行ったことがありません」と言われるので「来年は、けが人ゼロ、高山病ゼロを目標に頑張りましょう!」と目標を立てた。(来年も頼まれればの話)
目標が達成されるかどうかわからない(子供次第)けど、事前の生活指導とか、家庭への連絡等で、少しは改善されるのでは?
生活指導、って、髪の毛が長い!とか、シャツ入れろ!とかそういうのじゃなくて、やはり、山に登る前の日は、早く寝て、体を休める、とか、朝ちゃんとご飯食べてくる、とか、時間に遅れない、とかそういうことだと思うけど。
頂上に行く途中、またまた私の班の女子が一人、「気持ち悪い」と言い出した。
この子は昨日はとても元気で、ほかの子の荷物を持ってあげていた子だ。
ホントに気持ち悪そうなので、少し休ませて、皆に先に行ってもらう。
いっしょに歩きながらいろいろ話して気を紛らわせたり、飴なめたり水を飲んで元気出してもらったり、それでも気持ち悪そうなので、息を口から吐いて鼻から吸うように言ったり(これはなかなかできないみたいだった)しながらちょっとずつ登っては休みして徐々に登っていった。もうちょっとで着くよー、という時にホントに息が苦しそうで、「降りよっか?、どうしてもうごけんにゃ、ここまで頑張ったから、降りても満足じゃない?」と言ってみたが、下から大阪弁のおばちゃんたちが登ってきて、「つらいけどがんばりやー。もうすぐそこやでー。」とさっさと歩いていったので、(ほんとにもうすぐそこ)「おばちゃんたちについてくか!」と歩き出すと、動けた。
皆の姿が頂上に見えると、そこはもうほとんど平で木道なので、ただ足を前に出していれば皆のところに行くことができた。
苦しかったけど、頑張った!先生もみんなも「よく頑張ったね」と言っていた。
私は山でこんなに苦しかったことがなかったので、ここまで充実感がないと思うけど(早く登れたとかそういうのはあるけど)きっとこの子は自分を超えた感じがしたんじゃないかな。
聞くと今までスキーに行っても、ちょっと高くなると息苦しくなっていたそうだ。
ちょっと下ったら普通に元気になった。
山によく行っているTさんも「最近年をとったら高度で苦しくなることがたまにある」と反省会のときに言っていた。
1人具合の悪い子が出ると、その子についていて、他の子とは全然話すことができない。
去年もけっこうそういう感じだった。
やはり全員元気で騒ぎながら登りたい。
書いていて、なんで自分の班だけ、具合悪い子が出たり、けが人(これは下りで起きた)がいたりするのかー?と思うけど、そういう場合に備えてついて行っているというのもあるので仕方ない。目指せ高山病ゼロ、けが人ゼロ!
下りで起きたケガとは、いつ、誰におきても不思議はないもの。
7合目上でかなり大きい女の子が、ちょっとした段差を降りたとき、「ちょっと足がグキってなった」って言うので、見ると軽い捻挫と思った。
平地なら、そのまま湿布だけで済ませるくらいだけど、これが山だから大変だ。
休んでいても治らないので湿布と包帯を先生にしてもらって、ストックを貸してあげてなんとかゆっくり降りていた。
そこに最後尾を歩いていたH隊員とM隊員(救助隊)が助けに来てくれたので、背負ってもらった。
テーピングも私は細いものしか持っていなかったし、先生に包帯をしてもらったのだが、H隊員に幅の広いテープを借りて、私が自己流で巻いたら、テーピングの方がしっかりするみたいだった。これからは山にはあの幅のものを持って行こう。
(ガムテープならもっとったけど)
背負われたまま下まで下りればかなり早かったけど、本人がどうしても歩きたいと言うので、5合目からはまたストックを杖がわりに歩くことに。
予定では北又に昼頃だが、全然ムリ。
先生が予約したタクシーの1時半にもムリ。
やっと納得してもらって3合目下からはまた特急で。(H号とM号、1合毎に交代)
最後に100段の階段を、元バイトのK君が背負い搬送に初チャレンジ。
いきなり足が前に出なかったそうだ。
でも半分以上1人で担ぎ上げ、最後はM隊員が。
私には順番は回ってこなかった。(来ても中学生はムリ。おんぶできるのは小3くらいまで?)
それにしても、人を担いであの速さはすごい!
(空身ならどんだけ速い?)
担ぐって言っても、ただ何もなしでは大変だ。
ちゃんと専用の道具(赤ちゃんをおんぶする時のリュック型のおんぶベルトのでかいバージョン)があって、それに入ってもらい、ザックを担ぐようにしてよいしょ!と担ぐ。
で、後ろに長いスリングにカラビナつけたものをセットし、その紐で後ろの人がコントロールしながら行く(担いでいる人の負担を少しでも減らすように)また、前に1人、道に落ちている邪魔なものをどかしながら、歩く人。計3人いればできるが、あと1人余分に動ける人がいれば、何か食べさせたり世話を焼いたりもできる。(結局私はこれをしていた)
遭対協は人を担げないとダメというのは本当だと思った。
M隊員が言うには、今ムリして歩かせて、治るのが遅くなったり捻挫が癖になってはいけないので、なるべく背負って下ろすのがベスト、だそうだ。
帰りも一人の子についていて、他の子とはあまりつき合えなかった。北又についたら、私の班の子は皆もうソーメンを食べ終わっていた。でも、鎖場過ぎてからでよかった。(一応そこは楽しんで降りてみれたし)
夜は反省会で先生たちと飲んだあと、H隊員やM隊員たちと別の店に行き、10時ごろ帰った。