剱は岩と岩の殿堂である!



早月小屋の手前から、ボツボツ岩を登るところが出てきたが、それはほんの剱の一角に過ぎなかった。
手を使ったほうが速いので、ストックは折りたたんでザックの横に。
小屋から上はどんどん岩が増えてきて、目の前に大迫力で迫ってくる。
まさに岩の殿堂だ。(雪と岩、の雪はなかった。)
ただし岩はもろくて、体重をかけるとはがれそうな岩もある。
鎖がいたるところに設置されているが、私は鎖は使わず、全部岩だけをホールドにして行った。
(信用しないわけじゃなくて、そのほうが楽しいから。)
普通の人なら気をつけて登れば落ちるということはないと思うけど、それでも荷物が岩に引っかかるとか、足元の小さな石にけつまずくとか、何かアクシデントがあれば、落ちたらアウトな世界だ。
ホントに緊張するのは、岩の部分ではなくて、斜めになった道の上に細かい石が乗って滑りやすい場所だった。岩の上は足場がしっかりしているところが多いので、よほどミスがない限り大丈夫。
高所恐怖症の人にはかなりスリルがあるかもしれない。