「わたしらくらいやよねー」

4:30AM家をでて駐車場に着くと、珍しく車が一台停まっていた。
私より早く来るとは、山菜採りに違いない。
軽トラで、おばちゃん2人。
山菜採りの完全装備で、こっちに歩いてくるので「おはようございます」と話し掛けた。
「あんたひとりけー?」
「そうやよ、だって、こんな朝早くからいっしょに山行こって言って、起きてくれる人おらんもん」
「そうやよねーふつう。こんな朝早くから来るのわたしらくらいやよねー。はははは!」
「気をつけてね」
そうなのだ。わたしらくらいなのだ。
9時過ぎに帰ったときは車が数台とまっていたこともあったが、7時前にかえろうとすると誰も来てないのが普通。
まあ毎朝飽きもせず行くのも私くらいかも。(でも仕事の日は行ってないよ!)
おばちゃんたちは、山菜用の大型ザックと、長靴、頭巾(ていうのかわからないけど、てぬぐいみたいな帽子みたいなアレ)という正統派の出で立ち。
私は普段家にいるときと山にいるときとなんらかわらない感じの服装、しかも、今日は登山靴もスパッツも忘れてズックに毛の生えたようなローカットのトレッキングシューズだ。誰も山菜採りだとは思わないだろう。(ザックも小さいし)
まあ「採り」とつくほどとってないと思うので(おばちゃんたちは一日山に入り、あのザック1杯担いで帰るのだ)ただの山歩きの人、と言っても差し支えないかも。
印象的だったのが、「今日はガスが出ていて入れんし困った」とおばちゃんが恐れていたこと。
私は今年同じところしか行ってないので、暗くても行けるくらいだが、それはわかりやすい谷筋だからで、ふつうの山菜採りの人は道なき道をどんどん斜面に沿ってあがったり降りたりするので、ガスッたらそれは危険だ。
私も気をつけていかなくては、と思って気を引き締めて歩いて行ったが、不思議とそっち側はあまりガスがなく、駐車場に戻ると一面ホワイトアウトだった。近くでも地形によって違うんだな…