にったさん

ここらの小学生がよくお菓子を買いに行くお店が2軒ある。
以前は近所にもう一軒あったのだが(釣具屋がお菓子も売っていた)そこはお菓子をやめてしまい少し遠くの2軒だけになった。
その2軒は道路を挟んでくっついていて、子どもらに「にった」と「まった」と呼ばれている。
今日バイトから帰るとお店の配達を頼まれたので行こうとするとT治郎がくっついてきた。おなかがすいたからおやつをくれと。
しかたなく車にのせて、配達が終わったあとどこに買いにいきたいかときくと「にった」だというので一緒に行った。
「にった」と「まった」のどっちに入ろうかと迷っていると、「にった」のおばちゃんがニコニコ笑って出てきたので「にった」に入ることに。
おばちゃんにお皿をもらい、「好きなの入れっしゃい」「あんた保育所けー?」と話しかけられつつお菓子を物色するT治郎。最初あまりにもいろいろあって迷っていたが次々入れるうち、模型の飛行機発見。おばちゃんに「それ選ぶんならお菓子これかこれひとつやめんなんわー」(どうも、合計金額が100円になるようにしているらしい)と言われすぐに返すお菓子を決めている。コスモの駄菓子や(新しい店なので、駄菓子もあるが高いおもちゃもある)で買うときはいつもパニックになり泣きそうになるT治郎だが(高いものがほしくなり100円におさまらないからだ)「にった」のおばちゃんのいうことは説得力があるとみえて(品揃えも子どもに最適なものしか置いてない)いうことを聞いている。
満足して家に帰って獲物を食べていると、姉ちゃんが帰ってきて、T治郎いいなー私も買ってこよ!と自転車で飛んでいった。彼女は小遣いがあたっているのだが、もう使ったので来週の前借だ。
150円もっていってくじで100円あたったので250円分もお菓子を運んできた。
一度に食べたらダメだと言った時にはもうだいぶ食べていた。
(前借なのに。)将来、どうする、アイフル、とかのお世話にならないようにしっかり生活してくれ。