おてつだい

干し柿の季節。うちでは毎年、2本ある柿の木からまだ硬い実を採ってきて皮をむき、ひもで二個組にしてつるすのだ。
この作業は、実を採るのは明るくないとできないが、あとの皮をむくとか、ひもにつるして竿にかけるとかは夜になってからの仕事で、干し柿は食べないくせに、干し柿作りはおもしろいとみえて、チビ2人が手伝いたがって夕方てんてこ舞いだった。
T治郎がほんとうにやりたかったのは、木に登って実を採ること、でもそれは誰でもおもしろいので(というだけでなくて、日が短いためだけど)、昼間保育所にいる間におじいちゃんがとってしまい、T治が来た頃には家の中に柿の山が出来ていた。
皮をむくのは5歳ではなかなか大変で、包丁は危険だし、皮むき器でがんばっても数分かかってしまう。私が皮をむいたものを、ひもに通し、しゅーっとひっぱって2個組にし、竿にかけるのがちょうどよい仕事。
脚立にのっかって、一人前の顔で仕事をするT治郎。S作、失業か?(T治郎の子守りが彼の仕事だったが、自分はいちばん役に立つと信じて働くT治郎に子守りはいらないかも)
仕事がなくてひまそうなので、「餃子でも焼く?」というと、「忙しいから結構です」と言っていた。
こんなにがんばってつくった干し柿、子どもも食べてくれればよいのだけど…
うちにどれだけでもある無花果や柿は彼らに人気がなく、海を越えてやってきたバナナがなぜか人気。
いくら田舎に住んでいても(ていうか田舎じゃないのかここは?)、釣りキチ三平のような子どもには育ってない。