昨日の銅メダル

表彰台の4人(asahi.com)


そういえば昨日かけんかったけど、塚原・末続・高平・朝原の400mRが銅メダルをとったのは何度もテレビで放送されるけど、最初見たときがやはり一番すごかった。
インタビューもそれぞれ個性的で、リレーは陸上でも特別だなーと思う。

4人の走りが、陸上トラック種目で80年ぶりのメダルを日本にもたらした。22日あった北京五輪の陸上男子400メートルリレー。決勝という最高の舞台に選手は燃え、かつての仲間や家族らは熱い声援を送った。それぞれの思いが一つになって迎えたゴールは、人見絹枝以来の快挙として実を結んだ。

 アンカー朝原宣治(36)は、3走の高平慎士(24)からバトンを受け取ってすぐに記憶が飛んだ。

 「夢のような空間だった」という100メートル。フィニッシュラインに向かって、体を思いっきり投げ出した。ベテランは解放感に満ちたような表情を浮かべ、観客席に向かって両手を上げた。

 「ホッとしたのと、やったというのと、いろんな感情が入り交じった」

 この瞬間を待ち望んできた。初めての五輪だった96年アトランタ大会。アンカーの朝原に3走からバトンが渡らなかった。朝原の飛び抜けた加速に3走がついていけなかった。そこから朝原はトラウマを背負った。

 「本当にバトンが渡るのかなと思ってしまうんです」。前の3人の思いを、自分のところで消すわけにはいかない。スタート時に全力で飛び出せない悪癖がついた。

 「メダルをとるためには思い切って出るしかない」。そう思っていてもなかなか思い切れなかった。それがこの大舞台では違った。自らが「最後のリレー」と呼ぶ舞台。「思いっきり出ましたよ。吹っ切れた」。さんざん泣いてすっきりした顔だった。

 この1年が特別な1年だったからこそ、悪夢を振り切れた。

 昨夏、地元大阪の世界選手権で一線を退くつもりだった。でも、400メートルリレーは5位。シンクロナイズド・スイミングの元メダリストの妻奥野史子さん(36)に現役続行を願い出た。期間は1年。

 メダルにあこがれた。同志社大の学生だった92年のバルセロナ五輪、交際中だった妻と一緒に行こうと誓い合った。自分だけ国内選考会で敗れた。妻が持って帰った銅メダルを首にかけて写真を撮った。情けなかった。

 「あの時の悔しさがあったから成長できた」。翌年、100メートルの日本記録(当時)を樹立。日本人に9秒台を意識させた。日本のトップになって15年。「ムードを和ませる性格」が和をつくる。でも、勝負師向きではない。日本記録を奪われた。メダルもない。妻は「メダルだけじゃない」と言ったことがある。夫は返した。「メダルをとってるから言えるんや」

 「全盛期のままやめる」。そんな美学を持ち続けた。だが、36歳。体力の衰えを感じる。持ち味のはじける走りはできなくなった。それでもメダルが欲しい。だから、カッコつけた自分を脱ぎ捨てた。

 決勝に向かう前、妻に言葉を残していた。「まだ攻められるから、攻めるわ」

 その言葉通りの走りで、妻と同じ色のメダルを手に入れた。「夫婦でメダリスト。表彰台、最高でしょうね。もう1年やってよかった。夢のようなストーリーだった」(小田邦彦)

とか

エースが泣いた。人目をはばからずに。ふがいなかった200メートルでの走り。プライドを取り戻すにはリレーしかなかった。「チームジャパンとして戦う姿勢をむき出しにしようと思った」。闘争心こそ末続の原動力だ。

 1走の塚原が飛び出した。その勢いを止めないように3走高平へ。以前のような突き抜ける派手さはない。しかし、確実に。ジャマイカが大きく抜けた以外は混戦だった。トリニダード・トバゴ、ブラジルとほぼ横一線でバトンをもらった朝原が、3着に滑り込んだ。

 世界の舞台で何度も跳ね返された壁だった。「五輪はどんな状況でもあきらめないという力をくれた大事な場所だった」。00年シドニー五輪以降、ほとんどの主要大会でメンバーに入っていた末続がしみじみと言った。

 3度目の五輪で、200メートルは自己最低の1次予選敗退に終わった。報道陣に囲まれてうつろな目をしていた。この日のレース後、苦しい胸のうちをはき出した。「パリの世界選手権(03年)で銅メダルをとった時点でどこか満足していた自分がいた。その後追い求めていることがうまくいかなくてずっとつらかった」。でも、リレーが終わって再び力がみなぎるのが分かった。「新しい末続慎吾でこれからも頑張ります」

 朝原が言った。「アジアの代表として取れたメダル。個々の能力でなくてチームワークで取れた。だから価値のあるメダルです」。23歳塚原、24歳高平もベテランに支えられながら懸命だった。むしろ若手2人がいなければ届かないメダルだった。朝原は舞台から静かに降りる。それでも歴史は引き継がれる。(堀川貴弘)

とか、うまく書いてある記事。